【脱毛 1】脱毛の基礎知識と治療法一覧

どの脱毛法が効果的?どうして脱毛には時間がかかるの?部位によって脱毛回数が変わるって本当?
脱毛に関する基礎知識をご紹介します。

1. 脱毛の種類

「毛根にダメージを与えて、ずっと毛が生えてこない状態にする脱毛」の種類についてご紹介します。

治療法 痛み 治療期間 効果費用
レーザー脱毛
肌にレーザーを照射
★★ (短い)★★★★
ニードル脱毛
針で毛穴を1つずつ処理
★★★ ★★★(長い)★★★(半永久的)★★★
光脱毛
肌に光を照射
★★(一時的)

医療レーザー脱毛

医療用脱毛レーザーを照射する脱毛法です。レーザーが黒っぽい色に反応する特徴を利用します。
黒い色素に(メラニン)に当たったレーザーが、熱で毛を破壊します。その熱によって毛根の周りの細胞が損傷することで、毛の再生を抑制させるものです。
レーザーは一度に何本もの毛を処理することが出来るため、電気脱毛などに比べ、スピーディに処理することができます。

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ニードル脱毛(電気針脱毛)

細い針を毛穴の一つひとつに差し込み、差し込んだ針に弱い電気、または、高周波を流すことによって毛根部を破壊し、毛の再生を妨害する方法です。使用される針は金属アレルギーを防ぐため、現在はチタンやゴールドで加工されています。
海外では100年以上前から実施されてきた、歴史のある脱毛方法です。

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光脱毛(フラッシュ脱毛・IPL脱毛・プラズマ脱毛)

一時的にムダ毛を生えにくくする方法です。黒色に反応する光線で毛球や毛乳頭にアプローチすします。
キセノンフラッシュ光線(キセノンガスの放電による光エネルギー)と、特殊偏光フィルムによって、一瞬だけ発光させて、毛根にアプローチします。レーザー機によるムダ毛処理法と原理は似ていますが、レーザー光線よりも波長が長く、複合波長光線において、多様な毛質、毛根の深さに反応します。出力が弱く、パワーが分散されるため、レーザー脱毛のような痛みがありませんが、減毛効果は効果は一時的だと考えられています。

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2. 毛の構造

毛は、爪と同じように肌の角質層が変化してできた皮膚の一部です。
主成分はタンパク質のなかでも硬く強度のあるケラチンです。
肌から上に出ている毛部分を「毛幹」、肌の内部にある部分を「毛根」といいます。
「毛根」の根元にある球形のふくらんだ部分を「毛球」といい、ここで毛が作られます。
「毛球」の先は内側に凹んでおり、この部分に「毛乳頭」があり、周辺の細胞を「毛母細胞」といいます 。
この「毛乳頭」が毛細血管から運ばれてくる栄養や酸素を取り入れ、「毛母細胞」に受け渡し働きかけ ることで、細胞分裂がおこります。そして細胞分裂によって作られた組織が上へと押し上げられ毛となります。

3. 脱毛と発毛サイクル

毛は「成長期」→「退行期」→「休止期」というサイクルがあります。
一般的に、このサイクルを「毛周期」と言います。
「成長期」→「退行期」までに以降するまでに約3週間かかります。
(部位、個人により、毛周期には差があります。)
「成長期」の時期にレーザー照射を行なうと、毛根がダメージを受けて、毛を生成できなくなります。

4. 脱毛に適したタイミング

脱毛の効果があるのは「成長期」だけ
電気脱毛(ニードル脱毛)、光脱毛、レーザー脱毛などの「毛の再生を阻害する脱毛方法」は全て、毛と一緒に、毛の根元にくっついている毛根組織を処理する脱毛方法です。 ムダ毛本体と毛根がくっついている「成長期」の毛だけに効果があります。
毛と毛根が離れている「退行期」「休止期」の毛に対しては効果がありません。

そのため、全ての毛を脱毛するためには、期間をおいて、「退行期」「休止期」の毛が「成長期」に変わるのを待ち、 数回に渡って施術をする要があります。この成長サイクルは毛によってばらつきがあるので、間隔をあけながら何度も施術を受ける必要があります。
時間はかかりますが、期間をかけながら、施術の回数を重ねていくと、だんだんと残りの毛が減っていき、毛が薄くなったように感じます。

5. 表面に生えている毛の割合 と 脱毛回数

生えている毛=表面にでている毛の割合も、部位や個人差があるため、脱毛完了までの回数や期間に差が出ます。
一般的に、生えている毛の割合が高いほど少ない脱毛回数で済み、割合が低いほど何度も脱毛する必要があります。
下記は一般的な目安です。実際の割合は個人差があります。

表面に生えて出ている毛の割合(部位別)

部位ごとの生えている毛(成長期・退行期)の割合

髪の毛 85~95%
ヒゲ  70~80%
ワキ  30%
Vライン 30%
腕   20%
足   20%

6. 脱毛と体臭(ワキガ)の関係

全身に分布するのがエクリン汗腺で、腋の下や陰部などの特定部位に分布する汗腺がアポクリン腺です。
腋臭や体臭の主な原因はアポクリン腺から出る汗が細菌に分解されたときに発生すると言われています。
ワキガが、脱毛で軽くなった例もあるようですが、臭いの元であるアポクリン汗腺そのものは、 脱毛しても毛穴の奥に残っています。
毛がなくなることで菌の増殖を防ぎ 症状は軽くはなりますが、根本的な改善とは言えません。
ワキガの治療を考えておられる場合は、皮膚科や美容外科などでの手術が必要です。

7. 体毛と性ホルモン

体毛と性ホルモンには深い関わりがあります。
性ホルモンには、男性ホルモンと、女性ホルモンがあります。

■男性ホルモン
・アンドロゲン(テストステロン、アンドロステネジオン、デヒドロエピアンドロステロンの総称)
・男性特有の体つきや体毛、思考回路を発育させるはたらきをする。
・副腎、睾丸でつくられる。

■女性ホルモン
・エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン
・女性特有の体つきや、自律神経の発達、体のリズム(月経)などを整えるはたらきをする。
・卵巣でつくられる。

■性ホルモンにあまり影響されないとされる体毛
・眉毛・まつ毛・頭髪(側頭部/後頭部)

■両性ホルモンに影響されるとされる体毛
・腋毛・陰毛上部

■男性ホルモンの影響を多く受けるとされる体毛
・頭髪(前頭部/頭頂部)・ヒゲ・胸毛・陰毛上部・背中毛など

体毛の濃さにそれぞれ個人差があるのは、 男性ホルモン量と、皮膚のアンドロゲンの感受性の影響によるものとされています。

8. 多毛症(たもうしょう)

多毛症とは、軟毛の肥大化、または軟毛が硬毛に変化してしまうことを言い、毛の数が増えるということではありません。
女性や小児に成人男性のような硬毛がみられる症状をいい、女性でも、男性ホルモンの分泌が過剰におこなわれた場合は、
顔に男性のような髭が生えたり、胸毛や、腕、足の毛も太い硬毛になり、 陰毛は男性のようにへそに向かって硬毛が生えるようになる場合があります。

■軟毛: 短く柔らかい毛で、細く色が薄い毛です。うぶ毛と呼ばれる毛は軟毛です。

■硬毛: 長く硬い毛で、色素を多く含みます。頭の毛、眉毛、まつ毛、成人の陰毛・腋毛は硬毛です。
     成人男性の髭(ひげ)も硬毛です。


多毛症は、原因不明の「特発性多毛症」と原因疾患を伴った「続発性多毛症」に分類されるようです。


■特発性多毛症
原因不明の特発性多毛症は、多毛症全体の約5割を占めるといわれていて、 男性ホルモン量は正常ですが、
皮膚のアンドロゲン感受性が高いことを言うそうです。

■続発性多毛症
特発性多毛症とは病態が異なり、男性ホルモンが過剰に産生されているという原因があるそうです。
原因は、遺伝や、ストレスなどの場合もありますが、 女性の場合、男性ホルモンは卵巣、副腎でつくられるので、卵巣、副腎などに疾患がある可能性があるそうです。

9. その他・一時的な除毛方法

効果は持続しないもの、すぐにつるつるの肌を得られる除毛法です。

ワックス脱毛

ワックス脱毛肌の表面のムダ毛を粘着物に付着させ、はがして抜き取る除毛法です。

主にエステや自己処理などで行われている脱毛方法で、脱毛専用のワックスを皮膚に塗布し、毛根から抜き取る脱毛法です。
一時的に脱毛が必要な方が、低価格で、手軽に行える脱毛法です。

除毛の方法
脱毛専用の液状ワックス剤をあたためて、脱毛する範囲に塗り時間をおいて、固まったらはがします。
ワックス剤に包み込まれて固まった毛が、ワックス剤と一緒に毛根から抜けてゆきます。

メリット
・光などには反応しない細かいうぶ毛などもまとめて処理することができます。
・古い角質も同時にはがされるため、ごわつきのない透明感のある肌が期待できます。
・カミソリの処理に比べ、毛根から処理されるので、次に生えてくるまでの期間が比較的長いです。
・毛が生えてくる際、チクチクしません。
・一度で効果が得られるため、デートや発表会等、急いで対応したい場合にも有効です。
・光や電気などの処理に比べ、低価格です。

デメリット
・複数本の毛を一気に抜き取るので痛みを伴います。
・抜き取る際の刺激により、肌へのダメージもかなりあるため、施術前後に保湿など十分なケアを行う必要があります。
・刺激があるため、肌の弱い方は注意して行う必要があります。
・効果は2~4週間ほどで、徐々に元通りに毛が生えてきます。

適した部位
ワキ、足、腕、Vライン、うなじ、など。

備考
・事前に毛先を5ミリほど伸ばしておく必要があります。
・エステでの施術、自己処理に関わらず、処理後に皮膚の再生が早いと埋没毛になる場合があります。
・陰部のヘアを処理する「ブラジリアン・ワックス脱毛」が話題になりました。

シェービング(毛剃り)

毛剃りシェービング理容店で使用する専用のカミソリを使い、広範囲のうぶ毛や細い毛を剃っていく除毛法です。

除毛の方法
カミソリの滑りをよくし、肌への負担を減らすため、ふわふわのシェービングフォームの泡、またはシェービングジェルやクリームなどを塗ります。この泡を取り除くように、専用のカミソリをやさしく滑らせて、むだ毛を剃っていきます。
仕上げにホットタオルで泡をふき取り、保湿して施術完了です。

メリット
・古い角質なども一緒に削り落されていくので、白く透明感のあるお肌が期待できます。
 また古い組織が取り除かれることで、保湿液もしみこみやすく、化粧ノリも改善するといわれています。
・光などには反応しない細かいうぶ毛などもまとめて処理することができます。
・一度で効果が得られるため、デートや発表会等、急いで対応したい場合にも有効です。
・光や電気などの処理に比べ、低価格です。

デメリット
・肌に露出している部分の毛を一時的に除去するだけなので、施術後だんだんと毛が生えてきます。
・やり方によっては肌を傷めることがあります。
・施術者には理容師資格が必要なため、実施できる(刃物を扱うことができる)サロンが限られています。

適した部位
顔、耳、眉毛、指、背中、二の腕、デコルテ、足、男性のヒゲ、その他全身。
(挙式前のブライダルエステにもおすすめ)

種類
・カミソリを使用するのが一般的ですが、理容師のいない一般のエステサロンで行う場合は、電気シェーバーを使用するケースも多いようです。
備考
・シェービングは刃物類の使用認可を受けているため、理容師免許を持つエステティシャンのみが施術を行うことができます。(電気シェーバーは除く)
・今までシェービングを受けたことがない場合、お肌との相性を確認するため、パッチテストや事前チェックが必要です。本番前に1週間以上の余裕をもって、施術スケジュールを組まれることをおすすめします。

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