正面から見ると、顔に対して耳が横に張り出した状態を立ち耳といいます。
立ち耳とは、正面から見ると、顔に対して耳が横に張り出した状態です。そのため耳が大きく見えます。
立ち耳の方に多いのは「対耳輪」という耳の軟骨の折れ曲がりが弱いため、平たんなカップ状の耳介になり、耳が前を向いてしまっている状態です。
立ち耳は生活に支障がない場合がほとんどですが、中にはメガネをかけるのに苦労するなどの状態もあります。また欧米ではあまり好まれない形とされています。
・髪を下ろしても耳が飛び出して見える
・耳と顔のバランスが気になり、アップスタイルの髪型をためらう
・立ち耳と言われて気になっている
・耳ばかり見られているようで人の視線が気になる
立ち耳を修正する治療法はおもに、糸で留めるだけの埋没法や、切開して軟骨を形成する手術などがあります。
軽度の立ち耳を切開しないで修正したい方には、医療用の糸を埋め込み、対耳輪を形成する埋没法があります。
切開しないので腫れが少なく、ダウンタイムが短い、抜糸の必要がないという特徴があります。しかし、術後にもとに戻りやすいとされています。
◇埋没法のメリット
・切開しないため、腫れが少なくダウンタイムが短い
・術後すぐであれば、やり直しができる
◇埋没法のデメリット
・術後に、もとに戻ったり、数年を経て糸がゆるんだりすることが起こりやすい
・強い立ち耳は修正できない
・角度などを自由に調整することができない場合がある
<軽度の場合>耳の後ろを切開して縫合
耳の裏側の付け根にそって3~5センチほど切開して、耳の後部と縫い合わせ、耳を寝かせるように固定します。傷口が治癒して来たら抜糸します。
<重度の場合>耳の後ろを切開、軟骨形成してから縫合
上記同様に耳の裏側を切開して、耳介の中の平べったい耳介軟骨をはがして浮かせます。その軟骨に割り目を入れて、縦に折り曲げ、縫合して軟骨を固定し、対耳輪が突出した形になるよう矯正します。これで耳介全体が後ろに倒れます。最後の耳の裏を縫合して手術が完了します。7~10日後に耳の裏の抜糸を行ないます。
◇切開手術のメリット
・根本から修正でき、微調整が可能
・基本的には完全にもとに戻ることはない
・強い立ち耳にも対応できる
◇切開手術のデメリット・リスク
・切開や軟骨形成を行なうので、強く腫れ、出血などがある
・抜糸の必要があり、修正が大きいほどダウンタイムが長い
・術後の衛生状態にもよるが、感染・耳介血腫・後戻りのリスクもある
<切開・軟骨形成の場合>
A. 埋没法はだんだんともとに戻る可能性がありますが、切開手術した場合は元に戻りにくいと考えられます。
糸で留めるだけの埋没法は、元に戻る可能性があります。また術後に数年かけて糸がゆるんでくる可能性もあります。後戻りをできるだけ防ぐには、耳への強い力、例えば枕との摩擦などを避けるようにしましょう。
その一方、切開・縫合して外科治療した場合は、大きな圧力がかかったり外傷を負わない限りは、元に戻ることはありません。ただし、術後の経過によっては、数年を経て軟骨の形がだんだんともとの形に近づいてくるなどの可能性があります。詳しくは担当医師にご相談ください。
A. 聴力に影響はないとされています。
立ち耳でなくなっても、聴力や聞こえ方への影響はないとされています。詳しくは担当医師にご相談ください。
A. 立ち耳にする施術もあります。
立ち耳は顔が小さく見える、若く見えるなどで好まれる場合もあります。立ち耳を希望される場合は、やや立ち耳の状態にする施術もあります。
詳しくは担当医師にご相談ください。